スマトラ沖大地震・大津波被災文化遺産救済支援五人委員会 緊急第2次アピール

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私たちは、昨年12月26日に発生したスマトラ沖大地震・大津波で被害を受けた文化遺産に対する世界的な救援活動の輪に加わることを目的として「スマトラ沖大地震・大津波被災文化遺産救済支援五人委員会」を結成し、1月17日に第1次のアピールを出しました。 
 
その後1月23日から1週間、トヨタ財団の緊急助成を受けて、委員会メンバー坂本勇をインドネシアジャカルタに派遣し、とりわけ被害が大きかったといわれるアチェの被災文化遺産に関する情報収集を行いました。その結果、現地調査を行った研究者の報告やビデオ映像などから、アチェ地区文書館やアチェ文書記録情報センターなどの文化遺産保存施設が全半壊、浸水などの深刻な被害を受けていることを確認しました。
 
インドネシア国立公文書館(ANRI)は、被災施設からの資料救出について国際的な支援を求めており、私たち五人委員会に対してもすでに館長から公式の支援要請がなされています。しかし今後の支援については関係各機関との連携が欠かせないことから、国立公文書館のほか、国立図書館、日本国大使館情報文化班、国際交流基金ジャカルタ事務所、国立イスラム大学、ジャカルタ新聞本社等と協議を行い、以下のような点を要望しました。
 
(1)アチェの被災文化遺産は救出や修復のため一時的に持ち出すことはあっても最終的に現地で保存すること、
(2) 資料救出保全活動は国立公文書館が中心となり、関係機関が連携して行うこと、
(3)海外専門家の受け入れにあたっては、インドネシア政府・州機関との交渉や安全確保について国立公文書館が責任を持ってこれを行うこと。
 
五人委員会では、災害発生からすでに5週間が経ち、カビ、固着などの被害が深刻化し、迅速な対応が必要とされていることから、2月上旬にインドネシアに専門家2名を2週間の予定で派遣し、資料救出・保全活動について国立公文書館を中心に技術的協力を行いたい考えです。
 
つきましては、すでに多くの方々からご寄付をいただいていますが、上記の活動を行うには未だ資金が不足していますので、ぜひともさらなるご支援をいただきたく、下記口座への募金をお願いする次第です。
 
なお、被災地域の文化遺産にかかわる長期的な復興支援を行うためには、公的な組織に拠ることが必要なため、五人委員会の活動は2月末をもって終了し、その後は東京外国語大学に設けられる「スマトラ沖地震津波災害文化復興事業支援室(仮称)」に活動を引き継ぐ予定です。よって、この募金活動も2月末をもって終了します。この点をご理解の上、なにとぞ緊急のご支援をお願い申し上げる次第です。
 
郵便振替口座:00180−9−723749「スマトラ沖大地震支援五人委員会」
事務局住所:東京都青梅市梅郷4ー655 東京修復保存センター 気付
E-mail: save_ri@trcc.jp
 
2005年2月3日
スマトラ沖大地震・大津波被災文化遺産救済支援五人委員会」
 
青木繁夫(東京文化財研究所国際文化財保存修復協力センター長)
安藤正人 (国文学研究資料館アーカイブズ研究系教授)
斎藤照子(東京外国語大学教授)
坂本 勇(TRCC東京修復保存センター代表)
高山正也 (慶應義塾大学教授)         <五十音順>
 

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