第16回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」

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日 時■2010年11月27日(土)
場 所■花園大学 拈花館202  アクセスは→こちら
主 催■第16回公開シンポジウム「人文科学とデータベース」実行委員会
後 援■人文系データベース協議会
参加費■参加費 一般:1500円 学生:500円
 
プログラム■
Session1○画像・写真 (10:00〜11:10)
■小島篤博・青木茂樹・宮本貴朗(大阪府立大学総合教育研究機構)(10:00〜10:35)
 「中尾佐助資料公開のための画像データベースの構築と運用」
概要:大阪府立大学学術情報センターには、照葉樹林文化論の提唱者である中尾佐助の研究資料(中尾佐助コレクション)が保存されている。本研究は、中尾資料のうち22,000 枚のスライド画像をデータベース化し、Webにより公開するとともに、関連分野の研究者に対する支援機能を提供することにより、学術資料としての活用範囲を拡大することを目的としている。本稿では、スライドデータベースの構築と運用状況について報告する。
■守岡知彦(京都大学人文科学研究所)(10:35〜11:10)
 「デジタル写真資料のWWWに基づく共有・管理手法について」
概要:大量のデジタル写真資料を少ない手間で共有・整理・活用するための方策について検討する。複数人で情報を共有するにはWWWベースで行うのが良いが、このためにはバッチ処理で各種RAWやJPEG等から変換処理を行ったりメタデータを抽出する必要がある。また、撮影データではなく、より意味的な情報の付与・編集をどのように(なるべく手間をかけず)行うかも重要である。このために現在取り得る手段や見通しについて議論したい。
Session2○文化遺産 (11:20〜12:30)
■近藤康久(東京大学総合研究博物館)(11:20〜11:55)
 「2010年代の考古データベースはどう展開するか?」
概要:コンピュータ性能の大幅な向上や高速インターネットの普及という技術的側面と、プロジェクトの大型化・複雑化という研究上の要請により、考古学のデータベース(考古DB)に求められる役割や仕様は昨今大きく変化している。本発表では、国内外におけるこれまでの考古DBの研究展開を整理した上で、GISとの連携、ネットワーク・コンピューティング、大規模データマイニングを基軸とする今後の考古DBのあり方について、自身の研究例を挙げつつ提言したい。
師茂樹・明珍健二(花園大学)(11:55〜12:30)
 「京町家の3次元CG復元をめぐる問題」
概要:花園大学情報歴史学研究室では、昨年発見された江戸後期から末期の間取図(梅忠町文書)をもとに、京町家の3次元CG復元を行った。本発表では、3次元CGによる復元の文化遺産研究における意義を述べるとともに、復元の際に浮上したいくつかの問題点について検討する。
Session3○言語情報処理 (13:45〜15:30)
■山元啓史(東京工業大学大学院社会理工研究科)(13:45〜14:20)
 「ブーリアン演算による歌ことばモデルの解析」
概要:八代集(905年頃〜1205年)の和歌(約9500首)を対象にグラフによる歌ことばのネットワークモデルを作成し、分析を行っている。ネットワークはノードとエッジの集合である。この集合に対して、和・差・積を求め、八代集の歌集区間の変遷を分析する。
■小木曽智信・中村壮範(人間文化研究機構 国立国語研究所)(14:20〜14:55)
 「「現代日本語書き言葉均衡コーパス」のための形態論情報データベースについて」
概要:国立国語研究所が「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の形態論情報付与のために構築した形態論情報データベースと関連ツールについて報告する。本データベースは、1億語規模の形態素解析済みのXMLデータを表形式に展開して格納し、品詞情報等の形態論情報を人手修正後、XML出力することができるデータベースシステムである。形態論情報の組み合わせによる高度な検索や全文検索等により研究利用も可能になっている。
■福田智子(同志社大学)・竹田正幸(九州大学)・南里一郎(立命館大学[非常勤])(14:55〜15:30)
 「『古今和歌六帖』の本文と表現―デジタル校本の試み―」
概要:約4,500首の和歌を含む『古今和歌六帖』は、平安時代の歌語や表現の研究に欠かせない資料である。その主要伝本の電子テキストを作成し、新たに文字列データ解析ツールを開発して研究に活用する。伝本間の本文異同によって生じた複雑な書き入れを記述するための入力規則を案出し、改良を重ねた。現在、6種の伝本について入力作業を完了している。開発したツールは、書き入れから生成される本文をも対象とした検索・解析機能を備えており、これを用いて複雑な本文の整理と分析を試みる。
○特別セッション「人文科学とデータベースの教育に関わる現状と課題」ラウンドテーブル(15:45〜17:30)
京都にある大学で、人文科学とデータベースに関する教育カリキュラムをもつ大学のとりくみと課題について討論を行います。
花園大学 情報歴史学
同志社大学 文化情報学
大谷大学 人文情報学
 ※ 一大学20分程度で現状と課題について口頭で発表を行います。
立命館大学(G-COEをはじめとした大学院教育に関わる立場からコメント)(10分〜15分程度)
討論(17:00〜を予定)

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